2017年度( 平成29年度) 事業報告

1.事業概要

平成29年度は任期満了で退任した渡辺 敦理事・会長に変わり、新たに谷本 進治氏を理事・会長に迎え、さらなる発展を目指してきた。そして、協会活動並びに組織・運営体制の充実に注力してきた。

1-1 理事会、社員総会等の開催とその内容

平成29年度の協会は、鋼管杭施工管理資格の創設等、活動の充実、発展を図るための諸課題について技術総括委員会が主体となり運営内容の見直しを進め、理事会にて適宜審議を行いながら運営方針と協会組織の再構築を行った。

(理事会、社員総会等の審議内容)

会議名 開催日 審議内容
書面決議による理事会 H29.4.4
  • 異動で辞任した技術総括委員の選任について承認
監査 H29.5.16
  • H28年度会計監査、業務監査
第34回理事会 H29.5.29
  • H29年度定時社員総会・第35回理事会の議事進行予定と議案の審議・承認
    1)理事・監事候補の選任、会長候補の選定について
    2)平成28年度事業報告、H28年度決算報告について
    3)平成29年度事業計画案、H29年度収支予算案について
  • 技術総括委員長の交代について承認
平成29年度定時社員総会 H29.6.22
  • 理事・監事の選任について承認
  • 平成28年度事業報告、平成28年度決算報告について承認
  • 平成29年度事業計画案、平成29年度収支予算案について承認
第35回理事会 H29.6.22
  • 会長の選定について承認
平成29年度特別講演会 H29.10.24
  • 道路橋示方書の改定について
  •    講師:七澤 利明氏(当協会 施工専門委員会 委員)
第36回理事会 H29.10.24
  • 鋼管杭施工管理資格関連活動について報告
  • H29年度上期活動報告〔道路・鉄道技術委員会、港湾技術委員会、建築基礎技術委員会、鋼矢板技術委員会の4委員会〕
第37回理事会 H29.12.12
  • H30年度技術委員会活動計画案について報告
  • H30年度収支予算案について報告
  • 技術総括委員長の交代について承認
1-2 文書の発行及び広報活動

下表に示す技術資料の改訂・新規発行を行うと共に、「明日を築く86号」を発刊した。

種類 種別 資料名 発行月
技術資料 鋼管杭・鋼管矢板
  • 鋼管杭 杭頭部 圧縮・曲げ試験
H29.3
  • 立体骨組解析による鋼管矢板基礎の設計計算
H29.11
  • 鋼管杭-施工と施工管理-(発売:総合土木研究所)
H29.11
技術資料 鋼矢板
  • 鋼材を用いた河川堤防の液状化対策工法
H30.1
広報誌 全般 「明日を築く86号」
  • 寄稿
    鋼矢板工の最前線
    - 経済性と施工性から耐震性まで-
    ( 熊本大学: 大谷 順 教授)
  • 未来フロント
    P a r t 1
    世界が見つめ未来へのレガシーとなる五輪会場に工期短縮と景観配慮に貢献した鋼管杭の締切堤( 東京都/海の森水上競技場整備工事)
    P a r t 2
    狭隘地での用地問題や近接施工にも対応
    施工性や経済性のみならず環境面にも対応した施工を実現(兵庫県/円山川下流部河川堤防工事)
  • テクニカルノーツ
    径板厚比を考慮した鋼管杭のM -φ 関係の提案
    (港湾鋼構造物の耐震性能評価の高精度化に貢献)
H30.4
1-3 論文執筆

下表に示す論文を執筆・投稿した。

種別 論文タイトル 投稿・掲載先 発行月
鋼管杭・
鋼管矢板
  • 正負交番水平載荷実験による杭頭部にコンクリートを充填した鋼管杭の弾塑性座屈性状
第80回日本建築学会東北支部研究報告会 H29.6
  • 耐震性能照査における鋼管部材のモデル化法の提案
港湾空港技術研究所報告第56巻第2号 H29.6
  • 局部座屈を考慮した鋼管杭のM-φ関係について
第42回海洋開発シンポジウム H29.6
  • 杭頭部にコンクリートを充填した鋼管杭の正負交番載荷試験
第52回地盤工学研究発表会 H29.7
  • 鋼管杭工法の支持層管理
基礎工 H29.8
  • コンクリート充填鋼管杭の終局曲げ耐力と変形性能の評価その1 実験概要
2017年度日本建築学会(中国) H29.9
  • コンクリート充填鋼管杭の終局曲げ耐力と変形性能の評価その2 実験結果
2017年度日本建築学会(中国) H29.9
  • コンクリート充填鋼管杭の終局曲げ耐力と変形性能の評価その3 鋼管杭と充填コンクリートの応力伝達機構
2017年度日本建築学会(中国) H29.9
  • コンクリート充填鋼管杭の終局曲げ耐力と変形性能の評価その4 終局曲げ耐力と変形角の算定方法
2017年度日本建築学会(中国) H29.9
  • 径厚比の違いを考慮した鋼管杭のM-φ関係について(その1:M-φモデル算定法の提案)
平成29年度土木学会全国大会第72回年次学術講演会 H29.9
  • 径厚比の違いを考慮した鋼管杭のM-φ関係について(その2:事例検討)
平成29年度土木学会全国大会第72回年次学術講演会 H29.9
  • 径厚比を考慮した鋼管部材のモデル化法による直杭式横桟橋の被災事例の再現解析
第37回地震工学研究発表会 H29.9
  • 新たに変わる鋼管杭の耐震設計法(座談会)
港空研技術情報誌PARI H29.10
  • 鋼管杭の部材性能(耐力と変形性能)
基礎工 H29.11
  • 鋼管杭の接合技術:機械式継手と杭頭接合について
基礎工 H29.11
  • 連載[次世代へ伝えたい私の思い]第19回 「基礎工の技術開発、道路橋示方書改定、国際協力等」への思い
基礎工 H29.11
1-4 技術講習会等の開催

当協会主催のほか、他協会等と共催で、鋼管杭、鋼矢板に関する技術講演を東京他で6回実施した。

開催日 名称 主催 場所 内容
H29.6.16 TBS工法協会 研修会 TBS工法協会 札幌 鋼管杭の施工管理に関わる鋼管杭・鋼矢板技術協会の活動について
H29.6.28 鋼構造技術者育成講習会 (一社)日本鋼構造協会 東京 鋼製基礎・鋼管杭について
H29.9.26 H29年度 構造土質検討グループ 第1回技術講習会 (一社)建設コンサルタンツ協会中部支部 名古屋 鋼管杭等を用いた橋脚・橋台の補強
H29.12.3 鋼管杭施工管理技術者育成講習会 (一社)全国基礎工事業団体連合会 東京 「鋼管杭-施工と施工管理-」に基づく施工管理技術者育成講習
H30.1.21 鋼管杭施工管理技術者育成講習会 (一社)全国基礎工事業団体連合会 大阪 「鋼管杭-施工と施工管理-」に基づく施工管理技術者育成講習
H30.2.18 鋼管杭工法の施工管理要領 説明会 (一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会 大阪 JASPP版施工管理要領
① 全体概要
② 施工計画
③ 中掘り杭工法
④ 回転杭工法
⑤ 鋼管ソイルセメント杭工法

2.委員会活動

理事会、技術総括委員会の活動方針の下、以下の各委員会活動を行った。

(共通)

(1)技術総括委員会にて、活動の企画・立案・管理を行った。
(2)外部委員長、委員を招聘した施工専門委員会による施工管理要領等の審議、オーソライズを図った。
(3)施工社( 施工協会) を委員に加えた「施工管理普及委員会」にて、各種工法の施工管理要領の説明会の開催による施工専門業者への普及を図った。また、「鋼管杭- 施工と施工管理- 」を発刊し、この書籍を用いた「鋼管杭施工管理技術者育成講習会〔主催; ( 一社) 全国基礎工事業団体連合会( 全基連) 共催; ( 一社)鋼管杭・鋼矢板技術協会( J A S P P)、( 一社)全国圧入協会( J P A)〕」を開催し、鋼管杭の施工管理技術者の育成、技術向上を図った。
(4)各技術委員会(製品技術委員会を除く)に学識経験者の外部委員を招聘し、委員会活動の透明性の確保、活動内容の高度化を図った。
(5)技術普及のための技術説明会、論文執筆・投稿を行った。

( 各委員会の活動)

施工専門委員会
  • 岩盤を支持層とする杭の施工管理要領の審議
  • JASPP版施工管理要領の普及と運用状況の確認
  • 道路・鉄道技術委員会活動の活動状況の確認・審議
  • 鋼管杭施工管理資格制度検討報告、講習会テキストへの提言
施工管理普及委員会
  • JASPP版施工管理要領の普及促進;説明会開催(2/18@大阪)
  • 打込み杭工法の施工管理に関する課題調査
  • 施工管理の標準化、管理手法の高度化検討
  • 鋼管杭施工管理資格制度の取組み;講習会テキスト作成・出版、講習会事業への参画
道路・鉄道技術委員会
  • 「道路橋示方書」改定(2017)への対応;部分係数設計法の整備 他
  • 岩盤を支持層とする杭の支持力評価研究;5者共研(2015~17FY)、実大載荷試験をもとに支持力評価
  • 流動化に対する橋台補強構造の開発;土研SIP共研(2015~18FY)、フレーム解析による設計法検討
  • 鋼管矢板基礎設計法の整備;立体骨組解析設計法の技術資料作成・発刊
  • 鉄連学助成フォロー;
    *岩への急速載荷試験の適用性実証
港湾技術委員会
  • 「港湾基準」改訂(2018)への対応;L2地震に対する鋼管杭t/Dを考慮した新設計法を港湾基準へ織込み、新設計法と従来法との比較の実施・取り纏め
  • 港湾施設更新に関する課題の検討
  • バイブロハンマ工法の支持力特性再評価;4者共同検討
  • 鉄連学助成テーマの推進
    *更新工事における設計事例調査と課題抽出を実施(2017~19FY)
    *粘り強い構造への鋼材利用技術の確立(2016~17FY)
    *開端杭の支持力推定手法の標準化(2017~18FY)
建築基礎技術委員会
  • 鋼管杭(杭頭部)の耐力評価;耐力と変形性能の再評価、評価方法と評価式を提案・基礎指針への反映
  • 外部委員会活動への参画;「建築基礎構造設計指針」改定(2019)対応(建築学会)、「建築工事標準仕様書JASS3・4」改定対応(建築学会)、「RC基礎構造部材の耐震設計WG」対応(建築学会)
  • 鉄連学助成テーマの推進
    *激震時に地盤の液状化に伴う鋼管杭の損傷予測法等の開発(2015~17FY)
    *鋼管杭の地震時応力評価法の研究(2015~17FY)
    *コンクリート充填鋼管杭頭部のずれ止め効果と終局限界耐力評価(2017~18FY)
鋼矢板技術委員会
  • 河川堤防の液状化対策;鋼矢板工法の動的解析による検証、「鋼材を用いた河川堤防の液状化対策工法(JASPP版技術資料)」の発刊
  • 沈下対策鋼矢板の性能再評価;PFS工法の再評価と耐震設計に関する技術委員会(国際圧入学会)へ参画(2017~19FY)
  • 鋼矢板護岸の補修・補強・更新;建コン協との意見交換会の実施
  • 鋼矢板工法の課題への対応;現場溶接作業要領(案)の作成に向けた課題整理
  • 鉄連学助テーマの推進
    *液状化対策効果向上策の検討(2015~17FY)
    *PFS工法の耐震再評価(2017~19FY)
製品技術委員会
  • 規格・技術資料の改定推進;JIS A 5525とJIS A 5530の同時改正及び文章表記等の統一
  • 技術ノウハウの再整理;附属品取付け寸法公差の標準化、「附属品の標準化」・「SL杭製品仕様書」の見直し及び改定
  • 2016年度活動報告まとめ
防食技術委員会
  • 波崎観測桟橋調査;33年目現地調査
  • 海水シャワー暴露試験材調査; 鋼矢板継手部試験材( 暴露9年) の状況調査
  • 河川構造物の点検・調査に関する検討

3.その他の活動

平成29年度鋼管杭施工管理資格関連の活動報告
◆鋼管杭施工管理資格制度創設、関連事業への参画および実施
① 鋼管杭施工管理士検定試験委員会発足(7月)と試験委員会への参画
  • JASPP委員:委員長、委員5名および事務局
② 講習会事業への共催 (主催:全基連+共催:JASPP、JPA)
  • 講習会開催(2回):東京(12/3)191名参加、大阪(1/21)155名参加
③ 鋼管杭の施工管理技術者のためのテキストの作成および出版
  • 鋼管杭施工管理士として必須の知識をとりまとめたテキストを作成
  • JASPPの単独事業として編集および出版(600部)
    ((株)総合土木研究所に印刷販売委託)
  • 鋼管杭施工管理技術者育成講習会のテキストとしても使用