軟弱層から硬質層への貫入をはかる場合、地中に転石や障害物がある場合には打込み中に鋼矢板が押され、継手を中心に回転しようとする傾向があります。鋼矢板に回転が生ずると継手摩擦抵抗を増大させ鋼矢板の打込みを困難にするばかりではなく、施工延長の打伸び、打縮みを発生させ、鋼矢板の傾斜も生じさせます。
鋼矢板の回転防止対策としては、導枠の導梁と鋼矢板背面との接触を保持させるために適当なスペーサーを挿入する方法が陸打ちの場合には有効です。船打ちの場合は、海底面より上の導杭長が長いほど、また海底面以下の土質が軟弱であるほど、導枠工の抑止力が低下するので導枠工によって鋼矢板の回転を防止することは困難です。したがって建込み時に法線方向、法線直角方向の2方向からトランシットで入念に観測し、回転を生じないように作業を行う必要があります。
打ち下げ時に回転が生じた場合には、抜き上げて、再打込みをして修正します。鋼矢板を20~30枚を一単位として屏風状に建込んだ後、両側の鋼矢板を先行して打ち下げた後、中間部の鋼矢板を打ち下げていく、屏風多段打ち方式は施工が煩雑ですが、鋼矢板の回転や蛇行を防止する有効な施工法です。